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イケブクログ

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「クインロゼ」ブランドのアートムーヴが倒産。乙女ゲーはPSVITAで生き残れるのか?

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(株)アートムーヴ(TSR企業コード:297569864、豊島区高田3-18-2、設立平成20年10月23日、資本金500万円、戸田睦都美社長) は9月25日、事業を停止し、債務整理を坂井田大海弁護士(中村・安藤法律事務所、港区新橋3-4-8、電話03-3597-8727)に一任した。
 負債は現在調査中。

 

 個性的な作風で、根強いファンも多かった『クインロゼ』

 

今年の発売予定を見ると、ほぼ毎月、PSVITAで新装版や全巻パックをリリースしてることから、2015年に入って自転車操業で特に厳しかったであろうことが伺えます。

年間ゲームソフト売上でクインロゼ(アートムーヴ)を探してみても見つからないので、恐らく集計不能~3000本くらいの規模でしょう。とはいえ、ADVという形式である事に加え、殆どがPC→PSP→PSVITAといった移植作品なので、採算ラインとしては低いように思われますが、乙女ゲーの開発メーカーとしては比較的有名なところであり、かなりの本数をPSVITAで発売していたことから考えても、この件が乙女ゲー市場に与える影響は大きいのではないでしょうか。

こうした形になった以上、クインロゼのソフトはパッケージ版に関して再出荷はされないでしょうから現在の市場に残っている分(店舗に出荷された分)をもって終了となります。DL版に関しては、何処かが版権を買えばそこから今後も買えるようになるかもしれません。特に「ハートの国のアリス」は舞台もやっていますし、フロンティアワークスか、ポリゴンマジック辺りが版権を購入するのでは。他に関してもIPを一括で引き取る会社があれば良いですが、ただ新作を作れるかという点に関しては難しいと思います。仮に出来ても2年くらいは時間が掛かるでしょうし、その時点で別会社、或いはどこかしらのパブリッシャーのディベロッパーとして開発するという可能性はなくもありません。

『ハートの国のアリス』はPC版のプレイ経験があり、地味に好きだったのですが、割と場外乱闘で話題になってたメーカーのイメージがありますネ......。

男性向けのソフトについては、現在では移植を前提にしたソフトは殆どなくなり、18禁表現を強化する方向でPCに回帰していますが、乙女ゲーは、プラットフォームをPCからPS2、そしてPSPといった家庭用のコンシュマーをメインに据えるという方向へ発展していきました。

元々ADVというジャンルはプラットフォームの移行が最後発になる非常に移行の遅いジャンルですが、その中でも特に乙女ゲーは、ハードの移行に時間が掛かると言われる中で、近年、ようやくオトメイトがPSVITAに本格移行するということもあって、VITAの購入を考えている女性の方も多いのではないでしょうか?

今回のアートムーヴの倒産は、まさに乙女ゲーの移行が本格化し始めた矢先の出来事だけに、今後の乙女ゲーがどうなっていくのか大変気になるところです。

現在オトメイトはほぼ毎月乙女ゲーを発売していますが、『簿桜鬼』といった有名タイトルで約2万本程度、新規IPに関しては約5千本程度のようです。比較的安定した市場規模のように思えますが、PSP時代には、『簿桜鬼』が10万本を超えた事もある為、そこから考えると、約1/5程度に市場が縮小していると考えて良いでしょう。

この1/5という数字は、ほぼPSPとPSVITAの販売台数の比率と同じです。*1
だとすると、今後PSVITAの販売台数が伸びれば、それに付随にして乙女ゲーの売上の上がっていくと見て良いのではないでしょうか。

しかし、そうなると気になるのはPSVITAのソフトの弱さです。
ミリオンヒットしたタイトルが1本もなく、最高でも40万本以下で留まっていることから、今後更に普及していくかどうかは難しそう。*2

何より、既にSCE本体はPSVITAの撤退を示唆しているところから、今後もマルチやADVの移植作がメインになるようなので、市場を形勢しても次に繋がらない恐れがあります。SCEは次の携帯機というものを否定しているので、その場合、乙女ゲーのプラットフォームになるのは、スマホしかないのではないでしょうか?

伝統的に乙女ゲーやギャルゲーの移植といったタイトルが任天堂ハードで盛況になるということはあまり考え難いですよね。とはいえ、『ときめもGS』などはDSで17万本を越える売上だったこともあり、可能性がないわけでもありません。

 

スマホの功罪

 

オトメイトなどにしても、このまま売上が低迷したり、PSVITAの寿命が尽きた場合、自ずとプラットフォームの移行を迫られる事になるので、時間の問題とも言えます。

スマホに移行した場合、プラットフォームとの相性の問題があるので必然的に刀剣のようなアプリ型が増えるでしょう。現時点でもそのようなタイトルが色々出ていますよね。反面、これまでのADVタイプのゲームはかなり縮小を迫れられるのではないでしょうか。スマホに移植したADVタイトルは、概ねルートを分割販売して売られていることが多いです。(1ルート[1キャラ]350円といった感じ)これはスマホでフルプライス6000円といった価格で販売することが非常に難しいからですが、このようにCS市場とスマホ市場は性質が全く異なり、よってゲーム自体の形もよりスマホに最適化されたものが主流になっていくでしょう。

そうなると、従来のようなしっかりシナリオを作り込んだADV作品の行き場が失われていく可能性もあり、今後どんどん減っていくような気がしています。個人的にはアプリも好きなのですが、とはいえ腰を据えてじっくり世界観に没頭するゲームも好きなので、果たしてPSVITAがどれくらい持つのか、そしてその後、従来の乙女ゲーは何処に行くのか、注意深く見守っていきたいですね。

 

*1:PSP約2000万台、PSVITA約400万台

*2:モンハンこない事件