イケブクログ

池袋の話題を中心にホットなトピックスをお届け

MENU

再開発でどう変わる? 『Hareza池袋』の鍵を握るアニメイトの戦略

f:id:ikebukulog:20180322164843j:plain

いよいよ全貌が見えてきた新しい『池袋』のカタチ

f:id:ikebukulog:20180322163701j:plain

建設中の『Hareza池袋』もその姿を見せ始め、いよいよ『劇場都市』として形になってきた「国際アート・カルチャー都市」池袋。

今でこそこうして全貌が見えて来ましたが、本格的に動きが加速し始めたのは恐らく2013年頃からだったのではないかと思います。

それまで点と点でしかなかった動きが線になって一気に水面下から表に噴出し始めたのがちょうどその頃であり、これは何か大きな動きに繋がっていくのでないかと壮大で予感めいたトキメキを感じたのを憶えています。

そこで豊島区×アニメイトという現在の協力体勢がどのように構築されていったのか、緻密に練られた戦略、そして2012年頃を堺に明らかになっていく「表」と「裏」2つの再開発。

再開発でこれから池袋はどうなるの?
どうして今のような状態が生まれたの?

そんな疑問に答えるべく出来るだけ情報を詰め込んでみました!

2000年代の「オタク街」

池袋のオタク街というと、どのような印象があるでしょうか?

一番有名なのは『乙女の聖地』であり、女性向けの店舗が立ち並ぶ乙女ロードがあったりと、だいたいはこうしたイメージで共通しているのではないかと思います。

それは全く正しいのですが、しかしそのイメージ自体はそれこそ昔から変わっておらず、特に2005年頃に起こった秋葉原ブームによって中野や池袋も広く知られることになりましたが、基本的にはその認識のまま今に至ります。

秋葉原は名実共に「オタクの聖地」として地位を築いています。
当時、オタク街として大きく秋葉原がフィーチャーされる中で、『乙女の聖地』として池袋が、『サブカルの聖地』として中野が、第二、第三の『ポスト秋葉原』として紹介されていたこともありました。

しかし様々な変化と軋轢の中で、そして事件とその後遺症により、いつの間にか『ポスト秋葉原』はオタク街のメインストリームの変遷によって『脱秋葉原』へと潮流が変化していくのですが、そうした機運の高まりを受けるように池袋もまた、2012年頃を契機に、これまでの乙女の聖地から、全く新しい聖地へと変貌を始めていきました。

それこそが今に繋がる『劇場都市』への第1歩。*1

アニメイト本店の中央移転

2012年、池袋の現状を変えるエポックメイキングな出来事が起こりました。
乙女ロードにあったアニメイトの移転です。

この移転を切っ掛けに、池袋のオタク街は大きく動き出すことになります。
乙女前線の中央侵攻はこれまで池袋が持っていた乙女ロードを基点として構築されていたオタク街とは全く違うものです。

そしてそれは、これまでの秋葉原に対しての「乙女の聖地」というサブ的な役割から、名実ともに池袋自体がオタクの聖地として表舞台に立つことを知らしめる大きな一歩、移転劇となったのです。

つまり2012年を堺に池袋の時代は大きく分かれる事になります。

  • 乙女ロードを中心にした旧「乙女の聖地」時代(~2012)
  • アニメイトの中央進出による「オタクの聖地」時代(2012~)

このアニメイトさんが進出したエリアこそが後に『Hareza池袋』として劇場都市の中枢になるとは、このときまだ知る由もありませんでした......。

著しい秋葉原の衰退

この時期、事件の後遺症により秋葉原は低迷。
2011年には2008年以来、2年ぶりに歩行者天国が復活します。

厳戒態勢の中行われた歩行者天国に管理人も参加していましたが、以前のようなカオスさは消滅し、ごく一般的な歩行者天国となっていました。

とはいえそれ自体は悪い事ではなく、事件前の歩行者天国は本当に酷い異常な状況だったので、キチンとルールを守って誰もが安心して利用出来る歩行者天国の方が本来あるべき姿です。

しかしそれとは別にブーム以後の再開発の失敗、規制強化に過剰で強権的な職務質問、イベントの許可が下りないといったような大小様々な複合的な理由から秋葉原は「オタク離れ」が進み徐々に衰退の道を辿っていく事になります。(ここでいう衰退とは個性を失って一般的な街へなっていくという意味)

f:id:ikebukulog:20180408060146j:plain

当時の秋葉原には事件の影響が色濃く残っていた

しかし、今でもその影響が色濃く残るくらい無差別殺傷事件の衝撃は大きく、管理人も秋葉原に熱心に通っていた頃に起こった事件ということもあり、過敏になるのは仕方がない面もあります。管理人も当日、周囲から巻き込まれてないかめっちゃメールが来ました。

今では『オタクの聖地』というより、『オタクの聖地を模した観光地』といった方が適切な気もする秋葉原。

観光資源はありませんが、文化的な資源によって魅力的に思われる珍しい観光地として外国人に大人気の新たなポジションを確立しつつありますね。

そもそも乙女ロードは何処にあるの?

f:id:ikebukulog:20180408062629j:plain

最近では外国人観光客の姿を見かける光景も増えた

行った事がないと意外と分からない乙女ロード。
現在はヴィクトリアスポーツモール池袋東口店となっており、今は亡きトヨタのアムラックス東京*2 から東池袋3丁目交差点信号までの一直線を乙女ロードと呼びます。

その直線上にアニメイトやまんだらけ、K-BOOKSといったオタク向け店舗がひしめきあっていることから、いつの間にか「乙女ロード」と呼ばれることになりました。

いつ行ってもキャリーカートを引いたお姉さん達でいっぱいだぞ!

裏路地には過去にボークスや、現在も営業しているキャラウムカフェなどがあり、黒猫ヤマトや佐川の営業所もあるので荷物が大量になっても一安心。

同人誌の爆買いを推奨する優しさに満ちています。
向かいにはサンシャインシティがあり、通常のショッピングにも最適という超便利な立地になっているのが魅力です(*´∀`*)

地図を見ると分かりますが、駅から首都高を挟んでT次で向かい合う位置関係になっています。これまで乙女ロードはそれが非常に良い方向に働いてきました。

乙女ロードは一般的に繁華街であるサンシャイン60通りから隔離されています。
そもそもサンシャインシティに向かう人々はサンシャイン60通り終端の東急ハンズから地下道を通るのがメインのルートになっていることもあり、交差点を渡って乙女ロードに来る一般層はそう多くありません。

そうした地理的に隔離されている状況が、池袋でのオタク街を目立たないものとしてきた最たる要因となっていました。

池袋東口の特徴

元々池袋という街は非常に特殊で、繁華街が極めて狭い範囲に密集しているという欠点があります。これは利点でもあるのですが、その回遊性の悪さは問題視されており、これを是正解消する為、再開発では様々な取り組みがされています。

サンシャイン60通りを中心に狭い範囲に人が集中する為、混雑するエリアとしないエリアの差が極端に出るというのが大きな特徴で、具体的には東口五差路から首都高までのサンシャイン60通りが最大の繁華街になります。

さて、このサンシャイン60通りを歩くと、首都高の手前に東急ハンズがあり、この通りを歩く殆どの人が、ここから地下通路を通ってサンシャインシティに向かいます。

なので、どれだけ混雑していても首都高を境に人が激減し、乙女ロードがある通りには一般的な歩行者が来る頻度は極めて少なくなっています。

店舗もオタク向けの店舗ばかりなので、オタク以外の層が買い物目当てに来るというようなこともなく、乙女ロードは、偶然の産物により自然的な一般人口空白地帯になっています。

元々、乙女ロードにこれだけオタク向けの店舗を固められたのは、そうした繁華街の外にあり、一般的な集客があまり見込めない位置だったことが大きい要因でした。(因みにこの頃、現アニメイトサンシャインとまんだらけの間に、米沢ラーメンというラーメン屋さんがあったのですが、肩身が狭そうでした......)

こうした位置関係により、乙女ロードは繁華街の喧騒から外れて、街中にありながらも、ゆったりとした雰囲気が流れているという不思議な場所になっていたのです。(通りの向かいが公園とサンシャインシティなのも大きかった)

遂に打って出たアニメイト。博打は成功するのか!?

これまで乙女ロードの名物ビルだった牛乳パックビル*3から、中央エリアへアニメイト池袋本店の移転。

その衝撃発表が行われたのが2012年6月。

6月と言っても管理人がその事を知ったのはもう少し早い時期でした。
なんてことはなく普通に工事看板に株式会社アニメイトと書いてあるのを発見し、一人戦慄していたのを憶えています(笑)

やはり今までの隔離された人口空白地帯から繁華街の中央への移転というインパクトは凄まじく、どうなるのかはまるで未知数。

管理人としてもこの移転が成功するか否かはその時点で全く判断が付かず、ただただ何か大きな事が起ころうとしているという予感だけが先行していました。

元々移転先であるこの場所は豊島区役所、豊島区公会堂、豊島区民センター、池袋保健所が並ぶ閑静なビジネスエリア。

そんなところにアニメイト本店が移転してどうなるのか......?
しかし、このエリアの再開発はこの時点で既に始まっていたのです。

この頃、2009年に旧三越跡にヤマダ電機総本店が入り周辺一帯がビックカメラとの家電激戦区になるなど、街として電気街という新しいポジションを獲得し始めた時期でもありました。

f:id:ikebukulog:20151019040400j:plain

※池袋東口エリア再開発ロードマップ。大型案件がズラリと並ぶ

更に商業テナントビル『WACCA』の建設も始まるなど、まさにアニメイト本店が移転する場所は再開発の中心となっていきます。それどころか今後池袋の心臓部になりかねない位置。

そんな場所にアニメイトだけが移転して果たしてどうするのか。
乙女ロードのような隔離されたオタク向け店舗の密集地帯と違い、孤軍奮闘となることは目に見えています。

そうした事情から、当時この移転の発表には賛否両論があったのですが、まさにここが今後の『池袋』がどうなっていくのかという分水嶺だったのでしょう。

不安視されたこの博打の結果は実に早く明らかになるのですが、ここから、池袋の表の裏の再開発が更に加速していくことに。

乙女ロードから中央進出へ。拡大していくオタク街

当然予想される周辺環境の激変とパワーバランスの変動。
この移転発表の僅か2ヵ月後の8月。これまでまでサンシャイン60通りに面しており、ビル1棟借りで店舗を構えた『とらのあな』も後を追う様に移転を発表します。

にわかに池袋のオタク街が混沌化していった時期でした。
まさに胎動といった感じですね。

2012年10月。移転を発表していた『とらのあな』が、新たにとらのあなA館としてOPEN。*4

この時点では現在の2店舗体制となることは発表されていなかったので、大幅な規模縮小に残念に思ったことを憶えています。

特に池袋での男性向けの厳しさを表すような移転劇となりました。
駅に近くなったとはいえ大幅な利便性の低下、店舗としての取り扱いは更なる女性向けの強化に繋がり、男性向けの減少といった影響が大きく出る事に......。

『とらのあな』の影響力の低下は、池袋の男性向け不毛地帯化をますます加速させることになるのですが、女性を中心にしたオタク街という方向性は、秋葉原とは全く違う未知の領域でした。

当然、コンテンツとしてもコスプレやボーカロイドといった若者向け、若年層向けにフィーチャーしたものと親和性が高く、このとき、これまで「乙女の聖地」というポジションだった池袋が、その立ち位置を『次世代のオタク街』としてシフトさせていきます。

この傾向を端的に表すと、秋葉原ならビルのテナントの空きフロアにメイド喫茶が出来ますが、池袋ならコスプレの貸しスタジオになる。そういう差でしょう(笑)

ここから『乙女ロード』だけだった池袋は、徐々にオタク街そのものへと勢いを増していきます。2012年8月ファミリーマートとのコラボで初音ミクのラッピング店舗が登場するなど勢い付いてくる池袋。

そして2012年11月17日。
遂にアニメイト池袋総本店がOPENします。

旗艦店『アニメイト池袋本店』が誕生

f:id:ikebukulog:20151016221532j:plain

記念すべき中央エリアへの進出となった

アニメイト池袋総本店は、旗艦店となるべく圧倒的なフロア面積にイベントスペースも完備、エントランスを広く取るといった先を見据えた店舗設計になっています。

最初は何故こんなに店頭部分を広く取ってあるのか分からなかったのですが、実際にOPENすると、人が道路にはみ出さすに滞留出来る場所として非常に効果的に働いていました。

懸念だった乙女ロードの旧アニメイトビルも、アニメイトサンシャインとして同時運営されることが発表されるなど、池袋のシンボルとして、アニメイトのポジションがますます確立され影響力を増していきました。

さて、アニメイト総本店がOPENした1ヶ月後の12月17日。
以前より閉園が告知されていたサンシャインシティ内、ナムコナンジャタウンが、2013年夏に『週刊少年ジャンプ』のテーマパーク『J-WORLD TOKYO(ジェイワールド東京) 』にリニューアルされる事が発表。

これまでもナムコ系列として様々にアニメゲーム関連イベントを開催してきたナンジャタウンまでもが足並みを揃えたこの一斉展開にまさに翻弄されるばかり。

サンシャインシティは、同人誌即売会『サンクリエイション』の開催、毎年「ウルトラマンフェス」に「プリキュアショー」など子供向け、特撮ファン向けのイベントも多く開催されており、ナンジャタウンもリニューアル以前からアニメ映画とタイアップした企画、ゲームの『モンスターハンター』などとのコラボも頻繁開催されるなど、オタク街としての重要度は非常に高かった為、この連動した動きは気になるところでした。

そして池袋、激動の2013年が幕を明ける

2013年に入ると、そうした動きはより加速していきます。

  • 4/13 K-BOOKS(MEN’s館)
  • 4/18 とらのあな池袋A店
  • 4/20 らしんばん(池袋本店2号店)

僅か1週間の間に狭い範囲に3店舗が同時にオープンするなど、類を見ない出店ラッシュが続く月となりました。

特に『とらのあな』は取り扱いを減らしていた男性向けの新店舗を展開。
A館B館の2店舗体制となる分館制に移行。(この当時、秋葉原でもABCの3店舗構成を復活)

これにより同人誌と成年コミックを買いに秋葉原まで行くのが面倒くさいといった男性層の需要も解消し、女性向けが強いアニメイトの隙を埋めています。

f:id:ikebukulog:20151016223909j:plain

移転新店ラッシュが続いた2013年の池袋

らしんばん新店は、これまで現アニメイトサンシャインと、らしんばんに挟まれていた謎のラーメン店『米澤ラーメン』跡地に新店舗が出店。

『米澤ラーメン』はいつか食べようと思っていたのですが、実現しなかったのが心残りです。乙女ロードは賑わっているのに、いつ見てもあまり人がいなかったので色んな意味で気になるラーメン店でした(笑)

アニメイトの中央進出の影響は2013年に入ってすぐに出ます。
2013年2月1日~2日、豊島公会堂、豊島区民センターで『東京マンガ・アニメカーニバル』が開催。

アニメを使った地域振興、町おこしについてなどのディスカッションや展示などが行われると同時に、中池袋公園でコスプレイベントが開催されました。

市街地の真ん中、一般層も多く集まる休日の中池袋公園でコスプレイベントが開かれるという有り得えない光景が実現。

コスプレイベント自体はサンシャインシティで『acosta!』が毎月開催しているのでお馴染みですが、とはいえそこからコスプレで中央エリアに出てくることはこれまであまりなかった状況だけにSNS全盛の時代、拡散力は凄まじいものがあります。

そしてこれが後に『池袋ハロウィンコスプレフェス』に繋がることに。
その後も池袋へ集中する動きはどんどん加速。

  • 6月9日、秋葉原の有名店『武器屋』が池袋に移転
  • 6月16日、池袋西口公園で『世界コスプレサミット日本代表選考会』が初開催
  • 10月31日、キャラクターテーマ型飲食施設『カフェ&バーCHARACRO(キャラクロ)』がOPEN
  • 11月16日。アニメイト本店横に女性向け同人ショップ『Fromagee』OPEN

f:id:ikebukulog:20180407072038j:plain

閑静な公園がいつの間にか繁華街の中心に

特に影響が大きかったのは、アニメイト総本店前に位置する中池袋公園です。
お馴染みイケフクロウの銅像ある公園で、以降、定期的にコスプレイベントの会場になったり、グッズ交換会が行われるなど池袋の変化を象徴するような場所になっています。

乙女ロードだけではなく、駅東口を支点にして、明治通り(電気街)、サンシャイン60通り(商業街)、乙女ロード(オタク街)が三角形で結べる事に気づきます。

そしてこの中央にアニメイト本店が進出してきたことで、乙女ロードだけだったオタク街の点と線が結ばれ、繁華街を囲む広いエリアを持つことになりました。

これが乙女達のトライフォースであり、池袋というオタク街で自由に生きていくオタク達のブレスオブザワイルド(野生の息吹)です。

f:id:ikebukulog:20180410044730p:plain

乙女達のトライフォース

画して、アニメイトさんの大博打は成功し、僅か1年で池袋の街を大きく作り変えていくことになります。乙女ロードから飛び出した瞬間となりました。

これが池袋、中央エリアで起こったオタク街を中心にした発展と再開発。
魔改造といった方がシックリ来ますが、これこそが裏の再開発です。

では、表の再開発とは?
ここから豊島区の動きに入ります。

『国際アート・カルチャー都市』池袋

f:id:ikebukulog:20180408074106j:plain

Hareza池袋のエリアロゴが決定

2014年になると今後の方向性を決定付ける重要な出来事が立て続けに起こります。

「日本創生会議」が発表した“消滅可能性都市”に豊島区が認定。
そしてニコニコ本社の移転です。

消滅可能性都市とは?

少子化や人口流出に歯止めがかからず、存続できなくなるおそれがある自治体。平成26年(2014)に日本創成会議が指摘。2010年から2040年までの間に20~39歳の女性の人口が5割以下に減少すると推計される自治体で、全国の市区町村の約半数が該当する。

消滅可能性都市(ショウメツカノウセイトシ)とは - コトバンク

一見、無関係に見える『劇場都市』と “消滅可能性都市”は密接に結びついています。
豊島区はこの “消滅可能性都市”への認定が余程衝撃だったのか、この頃様々なところで高野豊島区長などを筆頭に危機感を表明していましたが、そこにニコニコ本社が池袋PARCOに移転してきたことでようやく全てのプレイヤーが揃う事に。

そして遂に明らかになる『Hareza池袋』計画。

プロデューサーさん、再開発ですよ再開発!

f:id:ikebukulog:20151023074355j:plain

ニコニコ本社の移転は規定路線だった

アニメイトさんの中央移転、そしてニコニコ本社の池袋移転。
これらは全て一つに繋がっていました。

都市構想の戦略策定を担う11名の「国際アート・カルチャー都市プロデューサー」の中にはアニメイトHD社長の高橋氏やナムコ会長の橘氏、ドワンゴCCOの横澤氏など怱々足るメンバーが就任しています。

そしてこのメンバーはまさにアニメイトさんの移転に端を発するこの一連の動きの中で中心だったプレイヤーであり、つまりアニメイトの移転そのものが豊島区の再開発に組み込まれていたという衝撃の事実が判明します。

そしてそれを後押ししたのが“消滅可能性都市”への認定でした。
若い女性層の人口が5割以下に半減する“消滅可能性都市”。

しかしその一方で池袋の中心部には「乙女の聖地」としてオタク街が形成され、「乙女ロード」時代より遥かに若い女性層が増えつつあるというカウンター的な状況が生まれていました。

この相反する二つの事象。
そして『劇場都市』と『オタク街』。

この表裏一体の関係こそが、再開発の表と裏であり、表向きは劇場都市として、裏向きはオタク街として都市が発展していく。

再開発が進めば進むほどこれらはどちらも等しく成長し、都市の再開発にオタク街であることが組み込まれている秋葉原でさえ不可能だった画期的都市戦略、それこそが今、池袋東口エリアで行われている再開発の実態と言えるのではないでしょうか?

三者の強固な関係

f:id:ikebukulog:20151023075913j:plain

それを象徴したイベントとなった『池袋ハロウィンコスプレフェス』

2014年に初開催となった『池袋ハロウィンコスプレフェス』は豊島区全面協力の下、豊島区×アニメイト×ドワンゴのスクラムで開催。

様々な諸問題も噴出しましたが、それらを解消解決しながら現在まで毎年10月に開催されています。その最大の特徴は池袋東口エリアを開放して広範囲に行われるコスプレフェスで年々規模も拡大しています。

将来的には名古屋で開催されている『世界コスプレサミット』に匹敵するイベントとして、西の『世界コスプレサミット』東の『池袋ハロウィンコスプレフェス』となるように成長させていくそうですよ。

池袋では既に5万人以上を動員するAGF(アニメイトガールズフェスティバル)も毎年開催されておりポテンシャルは十分です。

池袋東口の未来とは?

ここまで見てきた通り、劇場都市はオタク街である事と密接な関係があります。
再開発はこの両輪で進んでおり、どちらか一方を切り離す事は不可能です。

2020年に完成予定の『Hareza池袋』。
そこに直接繋がっている2012年に起こったアニメイト移転。

随分と壮大な計画ですが、まさか2012年にはこんな所に繋がっていくとは夢にも思いませんでしたし、当時そんなことを言っても「何言ってんだコイツ?(´・ω・`)」と誰も聞く耳を持ってくれなかったのですが、ようやく状況がそれを肯定してくれるところまで来ました(笑)

2014年にその全貌が明らかになりましたが、勿論計画自体はそれ以前から水面下で綿密に進んでいたはずで、そこには秋葉原を反面教師にしている部分もありそうです。

既に『Hareza池袋』の劇場の一つはポニーキャニオンさんが運営するニコファーレ(ネーミングライツ:ドワンゴ)が入る予定になっていますし、宝塚や2.5次元舞台なども活発に行われることが決定しています。

そうでなくとも場所はオタク街のど真ん中であり、今後は繁華街の中心にもなっていくエリア。全く同時期にシネコンも開業しますし、EVバスや路面電車など新たな交通機関も導入されることにあり、池袋東口はどちらかと言えば観光地的側面が強い街に徐々に変化していくことが想定されます。

私達はこれまで誰も経験した事がないオタク層がメインに組み込まれた再開発の中にいるわけで、これは自然にそうなって制御出来ずに破綻した秋葉原とは決定的に違う意図して作られた状況なので、これがこの先がどうなるのかは全くの未知数、世界初の試みの中にいるだけに、今後が楽しみです!

願わくば末永く共存共栄出来る街であって欲しいと思うばかり。
反目し合うと殺伐とした雰囲気になってしまうので、何処までこの関係を維持出来るのか、そこに全て掛かっているのではないでしょうか?

因みに西口でも再開発が予定されていますが、その時間軸のズレによる経済圏の東口一極集中による東西格差問題も気になるところです。

ikebukulog.hatenablog.jp

ikebukulog.hatenablog.jp

管理人としては他に気になっているトピックスとして『アニメイトストリート構想』、『第2乙女ロード計画』などもあったりします。

これはアニメイト池袋本店からオトメイトビルまでを結ぶ直線距離が乙女ロードに匹敵するというところから着想を得ているのですが、「国際アート・カルチャー都市プロデューサー」としてのアニメイトさん自身の発言からもそれを匂わすニュアンスがあったり、そもそもアニメイト池袋本店前の看板にそう書いてあったりするので、これも今後を見据えた仕込みの一つであることは疑いようもないでしょう。

しかしながら思うのは、この東エリアでアニメイトさんの影響力が大きすぎるのではないかという気もしないでもありません。

しかもこの話は池袋だけに留まりません。
これまでアニメイトさんは池袋での絶大な影響力とは裏腹に秋葉原での存在感はそう大きくありませんでした。

しかし近年になって秋葉原に女性向けのアニメイトAKIBAガールズステーションをOPENしたり、これまで全国各地で出店するときは駅前周辺のエリアだったのが、いつ頃からかイベントスペースなどを確保し易いイオンやパルコなどのショッピングモール内へと出店戦略が変わっています。

こうした全国各地のショッピングモールは機能的にはサンシャインシティをコンパクト化したものとも言える為、これはまさに日本列島サンシャイン計画ではないかと注視しているのですが、アニメイトさんの動向からは常に野心めいたものを感じずには要られないのですが、それは杞憂なのかどうか......。

一挙手一投足を見逃せないアニメイト。
池袋の再開発の鍵もまたアニメイトが握っている!

*1:計画自体はもっと以前から水面下で進行していた

*2:2012年2月アイマスとのコラボイベント「アイドルマスター×アムラックス コラボレーションイベント~生っすか!?サンデー出張版~」が開催された。世界のトヨタは懐が深い

*3:現アニメイトサンシャイン

*4:東京都豊島区東池袋1-9-1 セイコーサンシャインビルXI 6F・7F