白熱する議論! 知の集結【ブロッキング0422】
大手アダルトサイトD社? いった何D○Mなんだ......。
飛びぬけて大きいってそういうところがDM○さんはアレでしょ。
漫画村で20%もの掲載頻度を持つ大手アダルトサイトD社。
ただこれは突っ込まれても、大量の広告を出している中でどのサイトに広告が出ているか「認識していなかった」と答えられたらそれまで。実際にどうかは関係なく、把握していたのかそれ以上の追及は難しそうです。
ということで、白熱した議論の応酬が繰り広げられているブロッキング0422。
「漫画村」や「Anitube」などがブロッキングされ閲覧不可能になっていますが、このブロッキングという対策が効果的なのか、法的に問題ないのか、費用面では? など様々な角度から議論が行われています。
後に議事録が公開されると思いますが、多様な視点で問題提起が行われ、良いも悪いも議論噴出となっているブロッキング0422。
前半のハイライト
漫画業界の被害が3000億円?
それなのに業界は対策にコストを掛けられないとか、実はやる気ないだろ?
怒られる漫画業界(´・ω・`)
通信の秘密、コストの負担、広告......etc
忌憚のない意見の応酬が行われているので、一定のコンセンサスを得ることは難しいのですが、その中で気になる話もかなり出ています。
★漫画業界は本気で対策に取り組んでいるのか?
JASRAC理事の玉井氏もぶっちゃけています。
「漫画村」のようなサイトによる被害が3000億円と漫画、出版業界は主張しているが、それだけの被害が出ているのに対策にコストを掛けられない、被害額の1%も掛からないアメリカで訴訟を起こす事もしない、権利者が本気かどうか分からないまま政府が対応することが本当に良いのか?
と、業界の努力不足を指摘。
公開説教という赤裸々な議論に。
★法律的観点~ブロッキングは適法なのか?~
法的な観点からもブロッキングの根拠と問題点が指摘されました。
「漫画村」や「Anitube」のブロッキングは“緊急避難”とのこと。
今回判明したことの一つとして、ブロッキング対策の根拠となったのは緊急避難。
つまり、緊急避難だから通信の秘密を侵害しても問題ないというのが根拠です。
児ポはそれによって法解釈を回避していますが、しかしそれはこれまで児ポに限定したものだったはずが、今回の件で認定範囲を拡大したことで今後制限が効かず、今回のこの件がそもそも法的に緊急避難に当たるとも限らないという指摘も。
何故、児ポが緊急非難に当たるのかという解釈については、それによって回復出来ない深刻なダメージを与えるといった緊急避難の構成要件を満たす3条件を揃えているからですが、海賊版対策によるブロッキングがそれに当たるとは言えないという法解釈が示されました。
★ブロッキングのコストを誰が負担するのか?
ブロッキングにおいて、何故ISP業者がその負担、コストを持たなければならないのか、ブロッキングによって通信の秘密を侵害することになるが、違法の恐れがあるその判断はISPには出来ないとのISP側の意見。
既にイギリスではこの件で裁判も行われているそうです。
確かに負担増な上に、法的根拠なくISP業者が勝手にブロッキングすることは、通信の秘密を侵害しているとも言え、それ自体が違法行為になりかねないリスクを背負ってまでISPがやらなければならない事なのかという疑問は最もです。
★資金供給源=広告を断つアイデア
ブロッキングしたサイトに「ブロックされています」と表示を出すのはフィッシング詐欺と一緒だろ!
と言った意見も飛び出しています。
漫画村の利益は月6000万円との試算が示されました。
対策として、資金源となる広告出稿を絶つのはどうかというアイデアも。
ブロッキングという対応の何が問題だったのか?
様々な意見の応酬。問題山積です。
今回ようやくこうした形で目に見える議論が行われていますが、「漫画村」や「Anitube」をブロッキングするという決定の経緯が、どのような議論を経て行われたのか公開されていなかったことも問題視。
政府判断で要請すれば何でもブロッキング可能なら政府にとって都合の悪いサイトもどんどんブロッキング出来る訳で、誰かの恣意的判断が介入する余地のあるこうした対応はどのようにも拡大解釈出来る為、その危険性から空前の検閲社会になる可能性があり、それは法的にどうなの?
といった安易なブロッキング対策の是非についてなど論点は錯綜。
あまりにも喧々諤々でまとまりがない為、知の集結じゃないだろ!
とツッコミも入っていましたが、何にしても対策を講じなければならないのはその通りだとしても、それがどういった形で行われるべきなのかは慎重を有するというのが大筋のようです。
っていうか、「漫画村」がアクセスログを販売しているとか、そこに広告を出稿している業者もアウトとか結構ヤバめの話が出ているのが面白い。
どのような展開になっていくのか注目です!
※この記事は順次追記していきます。
※追記
夜になって緊急提言シンポジウムで論じられた様々なトピックスについて論旨が出てきましたが、どれもそれだけで1つ記事が出来てしまうような重大な提言ばかりですね。
本来であれば議論を重ねてそれら一つ一つを解決していくことで対策を打ち出していくというのが常道ですが、今回最大の問題はやはり一足飛びでブロッキングという対応を実行してしまった事にあるようです。
勿論、早期に対応しなければ毀損される一方なので、対策を急ぎたい出版社側の思惑があったにせよ、しかしだからといって一足飛びな手段を取って良いのか?
ということが問題になっています。
これはどういうことかというと、
違法行為を潰すのに違法な手段を取る事が許されるのか?
という矛盾となっていて、少なくとも今回の対応は様々な問題を孕んでいるグレーな手段。決して正当化出来ない上に、今回こうした対応を取ってしまったことで問題が複雑化し、次に同じような手段を取る事も出来なくなってしまいました。次はそう簡単に政府も要請を通せないでしょう。
更に言えば本来「表現の自由」を標榜する立場の出版社側が、今回ブロッキングを要請する側に回っていて、「知る権利」の侵害を積極的に担う側になっているので、これまでの論争にはない構図が生まれていますね。
どういった対応、対策が出来るのか、まだまだ深い議論が求められそうです。