「池袋アニメシティ構想」が本格始動!
池袋にある保健所の移転計画。
建設中の「Hareza池袋」と「アニメイト池袋本店」に挟まれるような形で残っている池袋保健所を移転して、新しい賑わいエリアに相応しい施設する為の事業者公募プロポーザルが行われていました。
跡地に何が出来るんだろうと期待していたのですが、コメント欄から教えていただいた情報によると、なんとアニメイトさんが優先交渉権を獲得!*1
最低売却価格30億円、目標売却価格40億円に対して、36億円を提示しています。ほぼ決定とみて良いんじゃないでしょうか。
新名称は「Anipla」。
地下2階、地上10階、アニメの中核施設となり、「Hareza池袋」と相互補完的な施設になるそうです。
【コンセプト】誰もが主役になれるエリア「総合聖地」の実現
- メインカルチャーとサブカルチャーの共存
Hareza 池袋と一体となり、メインカルチャーとサブカルチャーの両方を備えたエリア「総合聖地」を確立し、国際アート・カルチャー都市構想の一翼を担う。 - 多様な文化を受け入れる豊かな都市へ
隣接地と合算した約 1,100 ㎡の敷地計画に基づく地下 2 階、地上 10 階のアニメの中核施設「Anipla」により、様々な年代や性別の嗜好に応える場を提供する。 - Hareza 池袋×Anipla
Hareza 池袋と Anipla が相互に補完し、一体となり多様な文化の価値を受け入 れる芸術の街を実現する。 - 池袋アニメシティ構想の実現
この街に来れば、マンガ・アニメを通して様々な体験ができる「池袋アニメシティ」構想の実現を図る。
ごめんなさい。こういうときどんな顔すればいいかわからないの。
笑えばいいと思うよ
全てはゼーレのシナリオ通りに進んでいる?
この決定は、考えうる可能性の中では最も素晴らしいものです!
というか、こうなったらいいなーと思っていた事がそのまま実現したので、オタク街としてはもう満額回答、これ以上のない結果ですね。
しかし、そこで一つの疑問が湧きます。
素直に喜びたい気持ちはあるのですが、一方で、池袋の再開発、特にこの「Hareza池袋」周辺に関しては、余りにもオタク層にとって都合良く進みすぎていて逆に恐ろしいんですけど、ハッキリ言って、全てが予定調和にしか思えない!
ここまで来ると、完全にもうロードマップ通りというか、ある程度事前に決定していた大いなる意思の流れに沿って動いているような感じがあります。
根拠① 「Hareza池袋」新区民センターの外観
トップの写真は「Hareza池袋」新区民センターの外観を撮影してきたものですが、なんというか形が明らかに左半分という気がしませんか?
本来1つだったものを中央で分断したかのような形で作られています。
保健所の部分が右半分に該当し、移転後に解体して新築される段階で、綺麗な形になるように建設が進んでいるように見えます。
つまり最初から保健所跡地にどういった建物が作られるのかある程度想定済みだった可能性を疑いたくなりますが、そこでアニメイトさんの提案資料です。
本格活用時のイメージというスライドでは、もう完全に一体化してますね。
「Hareza池袋」と連続した一体感を持たせつつ差別化を図るそうです。
つまるところ、保健所跡地は半分「Hareza池袋」ということです。
「Hareza池袋」をメインカルチャー、「アニメイト池袋本店」をサブカルチャーと考えたとき、その真ん中に位置する保健所跡地に建設される施設の役割が、 コンセプトとして「メインカルチャーとサブカルチャーの共存」であると明文化されていることに、この計画が如何に深く練られているか見えてきます。
根拠② 移転時から計画されていた「アニメイトストリート」の伏線
「アニメイト池袋本店」の前には一つ看板が設置されています。
何気なく見たことがある人も多いと思いますが、特に気にしてない人が殆どではないでしょうか?
しかしこの看板、いささか不自然です。
「ANIMATE ST.」と表記されていますが、これは「アニメイトストリート」という意味なので、正面の道路(南北区道)が「アニメイトストリート」であると主張しているということです!
管理人が看板に気づいたのは2015年のことでしたが、アニメイトさんは「乙女ロード」に続く名称の必要性に言及されていたこともあり、目の前の通りをそういった形の名称にしたいという思惑を持っていることは間違いありません。
故にこの一連の通りにアニメイトカフェを集中させたり、K-BOOKSさんが集まったり、通り全体を「第2の乙女ロード」化する動きが進んでおり、そしてその終端部分にオトメイトビルが誕生しました。
そして保健所跡地が「Hareza池袋」と融合するような形でアニメイトさんになれば、これはもう「アニメイトストリート」と呼ぶのに異論のない相応しい通りになりますね!
根拠③ アニメイト池袋本店と合体するダイナミクス
2020年の東京オリンピック・パラリンピック終了時までは「特定活用期間」となり、従来の施設をそのまま再利用することになります。2020年10月から解体工事が始まり、2023年開業予定となっていますが、注目なのは施設の構造です。
アニメイトが合体している!?
既存店「アニメイト池袋本店」と連結するように建設されるようです。
昔、秋葉原のアニメイトも連結して広くなっていましたが、まさか池袋でも行われるとは......。
「Anipla」は主にイベントホール、イベントスペースといった機能が中心となり、5つの劇場(イベントホール2、イベントスペース3)を持つことで年間500回までイベントに対応。
7階には300人規模の多目的ホール「ANIPLACE」、地下にはミュージカル、ライブ、展示会、体験会など幅広い文化イベントに対応できる舞台設備を備えたイベントホール「ANIZA」が設置ということで、もう名前からも完全に「Hareza」を踏襲しています。
コンセプトや外観、機能など全てが「Hareza池袋」ありきで設計されています。
「Hareza池袋」自体がオタク街ありきで進んでいる再開発であり、表裏一体の関係であることを考えれば、保健所跡地がアニメイトさんになることは必然だったのかもしれません!
全てが決められたシナリオに沿って動いている!
全てのコンテンツが集まる偉大なる航路、グランドラインへ
「Hareza池袋」だけでも8つの劇場があります。
ポニーキャニオンさんが運営する劇場、ドワンゴさんが運営するサテライトスタジオもあり、そこにアニメイトさんも参戦でこれが全部フル稼働したらどうなっちゃうの?
加えてTOHOシネマズさんは勿論のこと、グランドシネマサンシャインも開業になるので、これら全てを満たして稼動するだけのコンテンツと人が一挙に「Hareza池袋」周辺に集まった場合、破壊的インパクトをもたらすことになります。
全てのコンテンツが集まる偉大なる航路、グランドラインと呼ばれる日も近いでしょう(そうか?)
到底、南北区道(アニメイトストリート)に車を通してる場合ではないので、あそこはホコ天になるでしょうし、サンシャイン60通りから横に人が流れてくることになるので、東口全体の導線問題にも影響が出てきそうですね。
何にしてもこれで更なるカオスに包まれることは確定した「Hareza池袋」周辺エリアですが、どう考えても今と同じ姿を保っていられない状況になるので、あの周辺の姿はそろそろ見納めですね。
ただでさえ外国人観光客なども増えて混雑具合が増しているアニメイト池袋本店ですが、施設利用者は現在の2倍を想定(600万人)、「Hareza池袋」と合わせて1600万人想定なので、これはもうちょっとどうなるのか分からないくらいです。
しかし、それだけの人が集まるにしては滞留スペースがあまりないように思うので、そういった部分での再開発も進んでいくことになりますね。一応、道路が拡幅されたりして幅が広くなっていっていますが、まだまだ到底足りないと思う。
こうして見ると、保健所跡地は最初からアニメイトさんに決まっていたかのような気さえしてきます。
表向きは「国際アート・カルチャー都市」として再開発が進んでいますが、それが絵空事にならないように、裏ではアニメイトさんを中心とした巧妙なテラフォーミングが進んでおり、この表裏一体の関係が理解出来ないと、池袋の再開発がどうしてこういう方向なのか見えてこないという非常に政治力学を感じさせる計画になっています。
これが「アニメイトの野望」と言わずに何と言うのか......。
産業が全くない小さな町や村が町興しで全力というならまだしも、大都市である池袋がこの方向に全力ということ自体が本来であれば異質というか、ありえないことのように思えてならないのですが、前例のない進化となりつつあります。
さながら池袋は、オタク達が作り出した実験室のフラスコ……
その結果が出た時、我々は……