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【東アジア文化都市】「マンガ・アニメ3.0」は論壇復活の狼煙になる!?

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Webメディア「マンガ・アニメ3.0」がスタート!

始まりましたWebメディア「マンガ・アニメ3.0」。
豊島区が今年通年で開催する一大文化事業「東アジア文化都市2019豊島」。
池袋でも様々な事業が予定されているのですが、イマイチ盛り上がりに欠けるのは残念です。

「東アジア文化都市」は、日中韓の3カ国がそれぞれ選ばれた都市の伝統文化を発信し交流していくという文化事業となっており、豊島区が発信する文化の主要部門として、かつて「トキワ荘」があったことを活かして「マンガ」「アニメ」が掲げられています。

その企画の一環として、Webメディア「マンガ・アニメ3.0」が開始され、ジャーナリスティックかつアカデミックな記事が毎週配信されていくそうです!

現在、豊島区で開催中の「東アジア文化都市2019豊島」では、その主要部門として「マンガ・アニメ部門」を設置している。同部門は、民間ではなく「公」だからこそできる貢献を行うため、2月1日のオープニングより様々な事業を展開。今回新たにWebメディア「マンガ・アニメ3.0」を立ち上げた。

運営にあたってのコンセプトは、当Webサイトのドメイン名にもなっている「mapdate」。マンガ(“M”anga)とアニメ(“A”nime)の情報や知見をアップデート(u“PDATE”)すること、そして日本も含めたアジアのマンガ・アニメの現状をマッピング(“MAP”ping)すること、という意味が込められている。

https://mapdate.net/

失われたアカデミズム復活の兆しとなるのか!?

衰退した「オタク論壇」

里中満智子先生へのインタビューが掲載されていますが、規制騒動などが起こると必ず矢面に立って先導してくださっており、頭が上がらないですね。いつもありがとうございます!

これから記事が更新されていくということで、現時点ではまだ1記事だけなのでコンテンツが十分とは言えませんが、こうした試みは大歓迎です!

何よりオタク論壇、これが今はもう風前の灯と化しているので(笑)
かつてはオタクの基本属性として教養主義というものがありましたが、後述の理由によりそれがあまり必要とされなくなっているので、「何かを語る」ということ自体がオタク文化の中で衰退しているのを実感します。

「マンガ・アニメ3.0」は、日本・アジア・世界の、マンガ・アニメに関する、情報・見方・読み方をジャーナリスティックかつアカデミックな記事(ニュース・論考・インタビュー・対談など)の配信を通じてアップデートすることを通じて、マンガ・アニメの未来を作るための土台を整備することを目的とします。とのことです。

もう少しだけ深く言及すると、そもそも「マンガ」「アニメ」というものが学術的、アカデミズムとして語られるようになってきた背景には、そうしたある種の権威付けや正当性の主張が必須だったからというところに一つの理由があるのではないでしょうか?

そして同時に何故今あまり盛んではないのかというところにも繋がってくるのですが、その昔、オタク文化であったり、オタクであったりというのはバッシングされる対象となっていた時代がありました。

今でこそコミックマーケット95にTBSが「TBSアニメーション/アニまるっ!」ブースを出展していたりしますが、TBSと言えばかつてあの「10万人の宮崎勤」の元凶。

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どのツラ下げて出展してるんじゃぁぁあ!!

しかしこの話、既に30年以上も非常に象徴的に語られ続けてきましたが、実はソースがハッキリしていません。証言や目撃情報もバラバラでそういう報道があったということだけが伝わっている所謂「都市伝説」みたいなものだったりします。

では、単なる噂話かというと、そう一言で片付けられるものでもない。
あの時代、そうした象徴的なフレーズに代表される程、確かにオタクだったりコミケだったり、オタク文化といったものに対して誹謗中傷、苛烈なバッシングがなされ、メディアが煽りまくっていたのは事実です。

上記の宮崎事件、そして「有害コミック騒動」などにより、コミックマーケットが幕張から追放されたのが1991年。以降、コミケSPなどが行われたことはありますが、本開催の会場として幕張メッセが使用されることはなく、今に至ります。

今ではコミケに複数のテレビ局や新聞社などが出展しブースを出していますが、彼らは一度もかつてそうしてバッシングしていたことに対して謝罪をしていません。なので、ある一定の年齢層からすれば、そこには非常に大きな不信感というものが根強く残っているんじゃないでしょうか?

そうした厳しい時代背景の中で必要とされたのが理論武装であり、或いはアカデミックな視点からの学問化だったりしたので、ある意味では必須教養だったりしました。そうした中から「オタク論」というものが生まれ、論壇が出来上がっていくことになります。よってオタクというのは当時マイノリティだったわけですね!

2000年代前半の「オタク論壇」全盛期、そして衰退へ

こういう話題だとだいたい名前の挙がる人だったり書籍だったりがあったりするのですが、個人的な事を言えば、多分2008年くらいまでに発売していた「オタク論」系の書籍や、マンガやアニメといった分野の書籍は殆ど目を通してると思います(笑)

今は亡き「全国統一オタク検定試験」も受けことありますし、多分探せばどっかに検定証も残ってると思いますが、悪夢の民主党政権自体の象徴とも言える某ルーピーが表紙の「オタクエリート」という雑誌も持ってます。

今から考えるととんでもない雑誌だと思いますが、あの当時はそういうものが普通に発売されるくらいには盛んでした(遠い目)

オタク論は、秋葉原ブームという大転換の2000年前半くらいが最盛期で沢山書籍が発売されたり、論壇も盛んだったりしていたのですが、今となっては風前の灯となり、そうした分野の書籍というのも激減しました。

理由はシンプルなんだろうと思いますが、要するにオタクも一般化してしまったので、特別そこに危機感だったりマイノリティだったりと言えるような意識を持ちようがないからでしょうね。

20代前半くらいだともう完全に秋葉原ブーム以降の世代なので尚更だと思いますが、オタクが普通になり社会に溶け込んだ今、あえて学ぼうという意識が働かない。これは当たり前の事ですし、そして言ってしまえば良い変化なので、それが問題というわけではないのが難しいところです。今は平和ですからねー。

なので、「マンガ」や「アニメ」といった論壇も、もうそれを学問として専門的に学ぼうという人以外には中々興味を持ってもらい難いというか、一般的に普通に「マンガ」や「アニメ」を楽しむ層がそこに興味を持つかといったら難しくなっています。

昔ならオタクは何でも知っておくべきみたいマインドというか脅迫観念めいたものがありましたが、そうした呪い、呪縛から解き放たれたのは素直に喜ばしい事でもあるので、ええんやでっていう感じですかね(笑)

「マンガ・アニメ3.0」を通して、文化としての側面に興味を持ってくれる人が増えると嬉しいですが、若い世代の人達に馴染みがないのはともかくとして、当時オタク論壇に触れていた人にとっては興味深い試みだと思うので、立てよ国民!

当時ブイブイ言わせてた(死後)人達は何処へいったのか......。
失われし論壇の再興に期待が掛かる「マンガ・アニメ3.0」。

たまにはオタク文化の勉強をしてみるのも良いかもしれません!