コンテンツツーリズム? いやいやアニメツーリズム?
“何”ツーリズムなの?
というこの疑問。
日曜にやる話題としてはちょうど良いんじゃないでしょうか(笑)
それはそれとして、コンテンツツーリズムとは?
コンテンツツーリズム(Contents tourism)とは、コンテンツの舞台である土地を訪れる観光行動の総称である。ここでいうコンテンツには文学や映画、テレビドラマ、あるいは漫画やアニメなどが含まれる。(Wikipedia参照)
いわゆる「聖地巡礼」ですね!
聖地の舞台が映画だったら「シネマツーリズム」、アニメだったら「アニメツーリズム」となります。
地域活性化の手段として注目を浴びることも多く、研究対象にも良くなっているコンテンツツーリズムですが、では池袋は“何”ツーリズムなのでしょうか?
『デュラララ!!』だからアニメツーリズム? それとも『池袋ウエストゲートパーク』だからドラマツーリズム? 或いは「トキワ荘」があったからコミックツーリズムなんでしょうか?
うーん......。
なんかそういうんじゃねぇんだよなぁ......。
コンテンツツーリズムは既に古い価値観になりつつある!?
ということで、“何”ツーリズムなんだという話ですが、このコンテンツツーリズムという考え方は、「聖地巡礼」というものが盛んになるにつれ自然発生的に誕生していきました。
それこそ『らき☆すた』のアニメ放送後、みんなして初詣参には鷲宮神社に行くというようなムーブメントが流行りました。管理人も行ったことありますけど、神社内のテントで「コンプティーク」が販売されていて笑うっていう(笑)
2007年にアニメが放送されましたが、その後、鷲宮神社の初詣参拝客が倍増し、アニメ放送前年の2006年が9万人、2007年13万人、2008年30万人、2009年42万人と激増。以後2014年47万人と50万人近い推移を維持しています。
冬コミで50万人以上の人ごみで揉まれた後、また新年早々から50万人近い人ごみの中に突っ込んでいくタフネスさが求められる厳しきサバイバルそれが「聖地巡礼」。
『花咲くいろは』の石川県金沢市湯涌温泉もそうですが、注目なのは一過性のムーブメントではないということです。「ぼんぼり祭り」にしろ、鷲宮神社もそうですが、一度定着するとアニメが終了しても、それとはほぼ関係なく足を運ぶようになります。勿論その場所にそれだけの魅力があることが重要ですが、「聖地」かどうかであるということは切っ掛けにすぎません。
その切っ掛けを提供出来るかどうかというところが観光地にとって重要ということですね!
そもそも「聖地巡礼」という行為自体はもっと昔からあったもので、長年親しまれてきた行動でしたが、それが体系化されたのがちょうどこの時期でした。
そこでそれを地域活性化に活かそうと始まったのがコンテンツツーリズム。しかし言うまでもなくこれにはどうしようもない欠点があります。
コンテンツツーリムズの欠点とは?
つまるところ「聖地巡礼」とは、何か作品がヒットして、それを見た人がこの場所に行ってみたいと思い、実際に旅行という形でその場所を訪れて楽しむという視聴者の一連の行動を「聖地巡礼」と言います。
コンテンツツーリズムは、それを地域活性化に活かそうという発想です。
これは「聖地巡礼」という視聴者側の行動を、地域側が「聖地巡礼」という地域活性化手段として活かすことが出来るのかどうかということが課題になります。
しかし、そもそもアニメの舞台になるのも運、そのアニメがヒットするかどうかも運、それによって地元に人が来るかも運です。
つまるところコンテンツツーリズムの介入要素は、最終段階の「聖地巡礼」として、人が来た後、その人が楽しめる何かを提案出来るかどうかという段階にしかありません。
例えば、福井県鯖江市を舞台にした『メガネブ!』というアニメがあったのですが、地元の期待も高く、アニメで地域活性化だと市長が出てきて第1話の鑑賞会まで行われたほどでしたが結果は......。
管理人も一時期「聖地巡礼」を学んでいたことがあり、『メガネブ!』放送直後に福井県鯖江市まで行ったことがありましたが、なかったこと扱いですよ(笑)
いや、一応アピール用にノボリとかはありましたけどなんとも残念なことになっていたのを憶えています。それで言うと福井県なら、むしろ劇場版『アイドルマスター』の合宿地としての方が「聖地巡礼」で話題だったんじゃないでしょうか。
その後も、福井県はP.A.WORKSのオリジナルアニメ『グラスリップ』の舞台になったり、『ちはやふる』の聖地だったり色々ありましたが、要は結局何がヒットするかは事前に誰も分からないのでアニメ頼りは成立しません。
かといって、最初から「聖地巡礼」アニメとして地元協力の元作られた鴨川が舞台の『輪廻のラグランジュ』とかもそうでしたけど、ロボという自由に高速で移動できる乗り物に乗りながら、何故か行動範囲が鴨川のみというのが逆に不自然だったり、聖地アピールが逆効果になるなど色々弊害も出ました。
最初から「聖地巡礼」を組み込んで地域性を押し出せば押し出すほど上手くいかなかったりと、聖地巡礼は「運」の要素が大きく、方法論として確立するには至っていません。
『ガルパン』の大洗みたいに上手くいくとこともあるんですけどね!
そこで改めて“何”ツーリズムなの?
ということで本題ですが(遅っ!)
そこで注目すべきは「世界コスプレサミット」を立ち上げた名古屋や、徳島県の「マチ★アソビ」でしょう!
「マチ★アソビ」は別のことで大問題になっていますが、それはともかくとして、何かのコンテンツに頼るのではなく、自分達がコンテンツを発信していくというのが現在の「聖地巡礼」を経ての地域活性化のスタンダードになりつつありますね。
【発表!!】
— 銚子アニソンフェス実行委員会 (@choanifes) 2019年5月31日
今年の #銚子アニソンフェス は
海を一望できる絶景ホテルの野外プールにて
7/27(土)と8/24(土)の
2Days開催が決定‼✨✨✨
イベントチケット完全予約制!
天然温泉入浴付き♨️
夕食付の宿泊プランまで⁉
ファミリー大歓迎👪
詳細は近日お知らせします! pic.twitter.com/tkOSdECfbr
千葉県銚子市の「銚子アニソンフェス」とか実に楽しそうです!
サマーリゾートという感じで、絶景ホテルに泊まってプールで遊んで美味しいもの食べて温泉で癒されて、ついでにアニソンも歌うとか、理想的な夏休みですよ(笑)
これも一つのコンテンツですよね。
千葉県銚子市が「聖地巡礼」として何かあるというわけでなくても、思わず行きたくなるコンテンツになっています。
「マチ★アソビ」も徳島まで遠征するとなれば、すっかり旅行気分なわけで、そう考えると、アニメがヒットするかどうかといったような不確定な「運」に左右されるのではなく、本当にこういった分野で地域活性化をしようと思うなら、自分達でコンテンツを作り出して発信していくことが重要となってきています。
今でこそ大きなイベントに成長した「世界コスプレサミット」ですが、第1回目の開催時に行ったときは、商店街のイベントという感じでステージの後、出演者で集まって商店街をブラッと歩き回るくらいの内容でした。それが今やもうご立派になられてオヨヨ......。
じゃあ池袋は何なのかと考えると、確かに『デュラララ!!』の聖地であり『IWGP』の聖地でもありますが、別にそれで集客しようと思っているわけではないでしょう。
「トキワ荘」も復活させようとしていますが、それだけをウリにしているわけでもありません。あくまでもそれらは一環というか、一つの要素であって、目指してるところは街全体、いわゆる「国際アート・カルチャー都市」という構想であり、それこそアニメイトさんが野望に燃えている「アニメシティ構想」だったり、「劇場都市」といった再開発そのものにおけるグランドデザインだったりするわけじゃないですか。
池袋は“何”ツーリズムなの?
という疑問に対する答えがあるとすれば、それは池袋という街全体がコンテンツであり、発信していくものであるという、「タウンツーリズム」と、いったものになるのかもしれませんね!